小さな飲食店を開く、いまのレジを替える。「無料のPOSレジがある」と聞いても、何が無料になるのかは少し分かりにくい。POSレジは、代金を計算し、何が売れたかを残す道具だ。客のスマホから注文を受けたり、厨房へ伝票を出したりする仕事まで含むかは、選ぶサービスとプランによる。まず一杯のコーヒーが売れる流れを追い、自分の店で必要な仕事を見つけよう。

機能を見比べていると、つい全部欲しくなる。そこで一度、いつもの注文に戻る。客が頼み、店が受け、料理を出し、代金を受け取る。その途中で使う人と端末が決まれば、無料の範囲で足りるか、何を足すと有料になるかを聞ける。

目次

一杯のコーヒーを、注文から帳簿まで追う

コーヒーが500円なら、まず「コーヒー一杯、500円」という注文を受ける。作る人へ伝え、提供し、最後に500円を受け取る。POSは、その会計金額と「何が、いつ、何個売れたか」を記録する。金額だけを電卓に入れる方法と違い、商品ごとの売れ方も後から見られる。

モバイルオーダーは客のスマホから注文を受ける入口。ハンディはスタッフが席で注文を入力する端末だ。どちらも「何を作ってほしいか」を店へ伝える役割で、カードの支払いを済ませる機能とは分けて考える。決済サービスはカード等で代金を受け取り、会計ソフトは売上や経費を帳簿へ整理する。

ここでいう会計は、注文をまとめて請求額を決めること。決済は、その額を現金やカード等で実際に支払うことだ。POSに「カード500円」と記録しただけでは、お客さまのカードに請求したことにはならない。金額をPOSから決済端末へ自動で送る「連携」があれば入力を減らせるが、何が自動になるかは組み合わせごとに確認する。

コーヒー一杯でも、仕事は別々にある
  1. 注文何を頼んだか

    客のスマホ、またはスタッフの入力から受け取る。

  2. 厨房何を作るか

    画面や伝票で席・商品・個数を確認する。

  3. 会計・記録いくら受け取ったか

    POSに売上を残し、決済と帳簿へつなぐ。

役割を整理する概念図。実際の送信順や連携範囲は、製品と設定で確認する。

一つのサービスで扱う場合も、複数をつなぐ場合もある。「モバイルオーダー付き」だけでは、厨房プリンター、同時利用台数、決済、会計ソフトまで同じ料金に含まれるとは分からない。注文の入口から閉店後の締めまで、必要な機能に印を付ける。

たとえば小さなカウンター店で、スタッフが聞いた注文をその場で調理へ伝えられるなら、まず会計と集計を整える構成で足りるかもしれない。客席が離れ、注文の往復が負担なら、ハンディやスマホ注文を加えた構成を比べる。客がスマホで入力しても、料理の説明、配膳、取消し対応は店に残る。

funfo公式のELLE WORLDインタビューでは、曜日・時間帯のメニューを手で切り替え、遅れや忘れが生じていたという話がある。まず2店舗で試した経緯も紹介されている。販売元が取材した一事例で、改善がすべての店に起きる根拠ではないが、「レジを新しくする」を「メニュー切替えを忘れない」に具体化すると、デモで見る場所が決まる。事例の旧プラン名は、現行料金と分けて読む。
出典:funfo公式のELLE WORLD導入インタビュー

小さな店の構成例。客席の注文用スマホ、厨房の注文を受け取るプリンター、会計のPOS端末は役割が違う。それぞれの利用台数と必要なプラン、機器代を見積もりへ記入する。
客席と厨房が分かれる店の構成例。注文方法、店で同時に使う台数、厨房の出力先をそろえて費用を比べる。

店の困りごとで、候補を五つに分ける

次の五つは、必要な仕事から比較を始めるための候補だ。機能が重なる製品もあるので、この分類で一社へ決めず、自店の注文を通せる候補を残す。

会計と売上集計を、まず整えるならAirレジ

Airレジは基本のPOS機能、初期費用・月額費用、サポートを0円で案内している。機器と通信環境は別に必要で、公式ページには一部有料機能の注記もある。Airレジ オーダーの注文管理は、無料POSの範囲から分けて検討する。会計を替えたいだけなら、注文方法まで一緒に替える必要があるか、ここで考える。
出典:Airレジの費用と料金

POSと客のスマホ注文を試すならfunfo

funfoでは、客はQRコードをスマホのカメラで読み取って注文画面を開く。専用アプリを入れずに注文でき、店はiPadなどで内容を確認する。スタッフが席で聞く注文には、iPhoneをハンディとして使う方法もある。スマホ注文だけへ切り替えるのか、口頭注文も受けるのかを先に決めると、端末の台数を数えられる。
出典:モバイルオーダー・ハンディ案内、店側の注文確認方法

Freeは月額0円で、店舗用アプリとハンディの同時ログインは最大1台。レジのiPadとホールのiPhoneを同時に使う構成なら、その無料範囲では足りない。Lite AIは最大3台で、厨房プリンター連携にも対応する。Freeのプリンター連携はレシート用だ。
出典:funfoの料金・対応機器

2026年10月1日の改定後、新規導入の月払いはLite AIが7,700円、Business AIが13,200円、One AIが19,800円。いずれも税込だ。年払いの月額換算は順に6,930円、11,880円、17,820円と表示されている。月額換算を毎月払う額として書き写さず、年払い時の支払額・時期と契約期間も尋ねる。既存契約は更新時期や旧価格適用条件が別にある。
出典:価格改定のお知らせ、現行料金プラン

厨房へ紙で渡したいなら、使うプリンターも先に相談する。公式は、レシート用を厨房用に使えないことと、掲載するクラウドキッチンプリンターはfunfo以外の経路で買ったものを接続できないことを案内している。端末とプリンターは、安く買える場所を探す前に適合条件を確かめる。
出典:周辺機器の注意事項

funfoの資料を見て 自店の端末構成を相談する

客のスマホとスタッフ注文を組み合わせるなら、かんたん注文

かんたん注文は、POS、ハンディ、WebやLINEのモバイルオーダーなどをプラン別に案内している。POSだけの料金を、スマホ注文付きの総額として比べない。公式の導入手順には訪問による商品登録・設置・説明もあるため、店が用意する情報と、依頼できる登録作業を分けて相談できる。
出典:プラン別機能、導入の流れ

店外から売上や取消しも確認するならUMaTレジ

UMaTレジの販売案内には、会計後の修正・取消しをスマホへ通知する機能、複数店舗の売上管理、freee・弥生会計・Moneyforwardクラウドとの連携がある。店長が毎回レジの前にいられない店なら、何を通知し、誰が確認するかをデモで見たい。必要機器と回線整備、使う連携先をまとめて見積もる。
出典:WizのUMaTレジ案内

ここで挙げたUMaTレジの機能案内と、次のスマレジの料金・標準機能は、2026年10月12日に掲載元の本文を再照合した。ただし、UMaTレジの機能一覧だけでは、すべてが同じ標準プランに入るとは判断できない。必要な通知と連携先を伝え、使うプラン・機器・追加費用をそろえた見積もりで決めよう。

UMaTレジのプランと必要機器を確認する

注文からテーブル管理までまとめるならスマレジ

スマレジのフードビジネスプランは1店舗あたり月15,400円(税込)。スマレジ・ウェイターとのセットで、注文入力、厨房伝票、テーブル管理、会計を扱い、モバイルオーダーも標準搭載する。月額の対象機能を見たら、機器と外部サービスの費用を加え、自店で必要な台数の構成を確かめる。
出典:スマレジのフードビジネスプラン

変えたい作業から、次に聞く条件へ

本文で挙げた五つの候補。必要な機能が入るプランを確かめてから、同じ構成で総額を比べよう。

変えたい作業候補次に確かめる条件
会計・売上集計Airレジ無料POSの範囲と、別途用意する機器・通信。注文機能も必要か。
POSとスマホ注文funfoFreeの同時ログイン1台で足りるか。厨房プリンターや追加端末を使うプランはどれか。
スマホ注文とスタッフ注文かんたん注文使う注文方法が入るプランと、登録・設置を誰がするか。
売上確認・取消し管理UMaTレジ管理・会計連携の範囲。必要機器と回線整備を含む見積もり。
注文・厨房・会計をまとめるスマレジフードビジネスプランで使う構成。機器・外部サービス込みの総額と操作。

端末数と注文方法をそろえる。月払いと年払い月額換算も、別の欄へ。

複数店舗管理でも、売上を一覧にするだけか、メニューや権限まで一括変更するかで要件が違う。候補が残ったら、同じ店の構成と注文で比べる。機能一覧を増やすのは、足りない仕事が見つかったときでよい。

月額0円を、店で動かす費用へ直す

見積もりは、初日に必要な支出、毎月の固定費、売上に応じて増える費用へ分ける。端末はアプリを動かすiPadなど、ドロアは現金を入れる引き出しだ。厨房プリンターは作るための注文票、レシートプリンターは会計後に渡す紙を出す。役割の違う機器を数えるので、「プリンター一台込み」でも何の紙を出せるかを確かめたい。回線機器も含め、設置、メニュー登録、移行、スタッフ研修を依頼するなら、その作業代を加える。

固定費にはPOS、注文機能、追加端末・店舗、有料サポート、通信、連携先の利用料を入れる。変動費は決済や注文に応じた手数料、紙など。funfo公式はモバイル決済に月額とは別の3.35〜3.95%の手数料を案内している。注文できることと、代金を無料で受け取れることは同じではない。
出典:funfoの料金と決済手数料

決済手数料は、対象の支払いを受けるために決済会社へ払う費用だ。たとえば料率3.5%なら、対象の1,000円の支払いに35円かかる計算になる。月100万円の対象決済額で、3.5%と4.0%の0.5ポイント差なら、月5,000円、年6万円の差だ。どちらも比較用の架空条件で、実際はブランドや経路、売上規模などの適用条件をそろえる。現金を含む全売上へ一律に掛けない。

機器無料や初年度割引は、貸与か所有か、対象機器、最低利用期間、終了後の料金、解約時の費用まで見積もりへ残す。補助金も、採択や支給が決まる前から差し引かず、補助なしで準備する資金を出す。無料の欄が増えても、契約条件の欄は減らない。

デモには、間違えやすい一回の会計を持っていく

最初は、いつものメニューで一件の注文を通す。同じ席へ客のスマホとスタッフの両方から入力し、追加、トッピング、売り切れ、取消しを扱う。厨房へ誰の紙や画面に出るかを見て、席移動、割り勘・商品別会計・支払方法の組み合わせ、現金とカード、日締めまで続ける。

会計ソフトとの連携は、ソフト名が一致していれば終わりではない。売上、返金、手数料、税区分、店舗情報の何をどの単位で送るかを確認する。送れない項目と手入力の残り方が分かれば、閉店後の作業時間も判断しやすい。

通信が切れた場合も、レジ会計、ハンディ、客のスマホ、厨房への出力を分けて聞く。「オフライン対応」という一語では、どれが動くかは分からない。注文・厨房・会計・復旧を分けた確認を、自店の端末構成に当てはめる。紙で受けた注文を復旧後どう照合するかも、厨房まで通すデモに入れておく。

手元の機器を使いたいなら、端末の世代とOS(端末を動かす基本ソフト)の版、プリンターの型番、決済端末、ルーターを書いて相談する。ルーターは店内の機器と外部回線をつなぐ機械だ。近くの機器を無線で結ぶBluetoothなど、接続方式が同じでも、その製品で使える保証にはならない。レシートは実際の紙で、登録番号や税率の印字まで確かめる。

導入日に必要なのは、登録作業と練習する人

製品を選んだら、メニュー名、価格、税率、写真、トッピング、厨房の出力先を誰が登録するか決める。取消しを操作できる人、日締めの担当、困ったときの連絡先もそろえる。担当者名を残すことと操作を制限することは、担当者記録と操作権限の違いとして確かめる。機器が届く日を開店日に重ねるだけでは、店の準備は終わらない。

使える練習環境を確認し、各担当が会計・取消し・返金・領収書・締めを通す。試験導入ができるなら、対象席と時間を絞り、注文から提供までの時間と取消し件数、案内の手間を記録する。導入前と曜日や来客数の条件も添える。システムだけで売上増や人員削減を約束することはできない。

POSとスマホ注文を一緒に検討する方は funfoの資料と導入相談を確認する

まだ相談先も決まっていないなら、紙へ「注文を受ける人/作る人/会計する人」を書き、一注文の間で伝え直している箇所に丸を付ける。そこが会計だけなら、まず基本POSから。客席や厨房との往復なら、注文機能も候補になる。最後に聞くのは、「この注文を受けて締めるまで、どこに手入力が残りますか」。必要な機器と総額、準備の担当が決まったら、次はその構成でいつもの一注文を試す。