レジを替えたいけれど、カードを読み取る機械はまだ使える。買い直さずに残せるなら、その案から試してみたいところです。ただ、新しいPOSに今の決済ブランドの名前があるだけでは、手元の端末をそのままつなげるかは分かりません。先に、レジと決済端末がそれぞれ何をしているかを分けます。

POSは注文額を計算して売上を記録する道具。決済端末はカードなどの支払いを処理する機械です。POSから端末へ金額を送る連携がなければ、500円の会計をPOSへ入れ、決済端末にも500円を入力する使い方が候補になります。機器を残すと安くなる部分と、入力が残る部分を両方見ます。

さらに、会計ソフトという売上・経費の記録を帳簿に整理する道具へ、何を送るかを確かめます。POSと決済側の両方から同じ売上を送れば、帳簿では二重になる場合があります。機器をつなぐ確認と、数字を一度だけ送る確認。順に進めます。

目次

残したい機器に、型番と契約者を書き添える

端末、プリンター、決済サービス、会計ソフトを並べます。iPad等は型番・世代・OSの版を控えます。OSは端末を動かす基本ソフトで、その版も対応条件に関わるためです。プリンターはレシート用と厨房用を分け、背面ラベルの型番を確認します。決済はサービス名だけでなく端末名、契約プラン、契約者まで控えてください。

会計ソフトには、いまどこから売上が入っているかを書き添えます。経理担当者が設定している場合は、その人に確認します。複数店舗なら、店舗をどう区別しているかも必要です。型番や設定が分からない欄は、推測で埋めず、写真や画面を相談時に見せます。

練習用の架空例。現金売上600円から現金返金100円を引いて500円、カード売上400円との合計売上は900円。カード手数料を12円と仮定した入金は388円。売上と入金を別の記録として照合する。
手数料12円を仮定した練習例。会計への売上送信は一度だけとし、銀行入金は決済明細の対象期間・手数料・入金日で照合する。

次に、残したい決済端末へ新POSから金額を送れるかを聞きます。対応ブランドのロゴがあるだけでは、端末間の連携まで分かりません。連携できれば、会計金額の転記や決済結果の反映範囲を確認する。単独で残せる場合は、POSと決済端末へ二度入力する手間と、誤入力時の直し方を試します。

プリンターも同じです。接続方式が同じでも、対応機種やOS、購入経路の条件が合うとは限りません。「この型番を、この接続で残す」と一台ずつ確認してから、買い替える機器を決めます。

Square公式のAnother Table代表の登壇レポートには、「THE PORT on the Green」が開店時からSquareを使い、あとからテラス席の注文に対応するためfunfoを連携した事例があります。既存決済へ注文機能を足した例です。販売元による一店舗の報告なので、別の端末にもそのまま当てはめず、自店の構成で対応を確認します。
出典:Square公式の導入事例レポート

同じ売上が、二つの入口から届いていないか

500円のカード会計を考えます。POSには「コーヒーが500円で売れた」、決済側には「カードで500円を支払った」という、同じ取引の別の記録が残ります。会計ソフトへ両方を売上として送れば、二杯売れたことになりかねません。「つながるほど便利」と増やす前に、一杯の売上をどこから送るか決めます。

売上は商品やサービスを売った額、入金は店の銀行口座などへ実際にお金が入ることです。カードの支払いが完了しても、その瞬間に店の銀行口座へ同額が入るとは限りません。売上の記録と銀行入金を別々に追い、あとで対応を確かめる必要があります。

Airレジの公式ヘルプでは、Squareからfreee会計へ直接売上を送っている場合、Airレジからも同じ売上を送ると二重になるため、Airレジ側の「Squareで決済した売上情報」を「送信しない」にする手順が示されています。
出典:Airレジとfreee会計の連携設定

同じカード売上を、どこから一度だけ送るか

AirレジとSquareを使い、Squareからfreee会計へ直接売上を連携している場合の例です。

二つの経路で送っている

Airレジ
Squareの売上
→freee会計

Square
同じ売上
→freee会計

同じ売上が二重に届く。

Airレジ側のSquare分を分ける

Airレジ
Squareの売上
×freee会計

Square
同じ売上
→freee会計

Squareからの経路で届く。

Airレジ側の「Squareで決済した売上情報」を「送信しない」にする案内です。出典:Airレジとfreee会計の連携設定

お金の入金は、別の流れ

決済会社入金 →銀行口座

入金額・手数料・入金日を、会計側の記録と照合します。

売上データの送信と銀行への入金を分けて書き、両方をたどります。

この設定名はAirレジとSquareの組合せのものです。別のPOSでは、同じ名前の設定を探すのでなく、どこから何を送るかを提供元へ聞きます。現金はPOS、カードは決済側、といった送り分けをするなら、現金売上が抜けないかも確認します。

カード売上と銀行入金は、金額も日付も同じとは限りません。複数日の売上がまとまって振り込まれたり、手数料が差し引かれたりするためです。POSの売上額を、そのまま当日の口座入金と一致させようとせず、決済明細の対象期間、返金、手数料、入金日を追います。勘定科目や税区分、入金との対応方法は経理担当者・税理士と合わせておきます。

「連携できます」の先に残る手作業を聞く

送られる単位は商品一件ごとか、日次合計か。現金、カード、QR決済を分けられるか。値引き、取消し、返金の修正はどこへ届くか。対応一覧に会計ソフト名があったら、この中身を順に聞きます。

送信時刻と失敗時の見つけ方も必要です。昨日の売上がまだ来ないとき、送信待ちなのか、連携エラーなのかを誰がどこで確認するか。再送する前に、すでに一部だけ届いていないかも見ます。普段は自動で動く仕組みほど、止まった日の手順を先に聞いておきます。

UMaTレジの販売案内には、freee・弥生会計・Moneyforwardクラウドとの連携とAPI連携があります。APIはサービス間でデータをやり取りする窓口です。用意済みの設定でつながるのか、別の開発や保守を要するのかで、費用も準備も変わります。機器と会計ソフトのプランを伝え、対応項目まで相談します。
出典:UMaTレジの連携機能

UMaTレジで 今の決済と会計に合う構成を相談する

スマレジも外部システムとの連携を案内しています。たとえばトレタ連携には相手側のプラスプラン契約も必要です。「POS側では使える」と分かったら、連携先の契約と料金も確かめます。送信後に人がする作業まで分かれば、月額に加える費用と閉店後の手間を比べられます。
出典:スマレジの外部連携案内

ここで挙げたUMaTレジの会計ソフト・API連携と、スマレジのトレタ連携条件は、2026年10月12日に掲載元の本文を再照合しました。機能の案内は、自店の端末・契約・送信項目まで同じ条件で使える保証ではありません。用意済みの連携か別の開発が必要か、連携先のプランと追加費用は何かを、使う構成で確認します。

現金600円、カード400円、返金100円を追う

提供元に練習用の画面・データを使えるか確認します。実売上やカード請求を発生させない方法で、まず少ない取引から試します。営業中の取引を試しに消して確かめる方法は使いません。

練習用の架空の取引

現金600円 − 現金返金100円 = 500円
カード売上400円
返金後の売上合計:900円

POS画面で900円となったら、現金500円、カード400円の内訳も見る。次は日締め、つまり一営業日の取引をまとめ、レジ内の現金や売上と照合する作業です。会計ソフトまで進み、同じ取引が一度だけ届き、返金前後の記録を追えるかを確かめます。会計側の仕訳は、取引を売上や手数料などの項目に分けて帳簿へ記録すること。表示形式や記録方法は設定によるため、数字の示し方を経理担当者と確認します。

カード400円は、この時点で銀行へ400円が入金されたという意味ではありません。たとえば比較のため、手数料12円を引く仮の条件なら、入金は388円です。400円の売上、12円の手数料、388円の入金をどう結び付けるかを別に照合します。実際の手数料や仕訳を指定する例ではなく、売上と入金を分けるための計算です。

ここが合ったら、カード返金、値引き、取消し、複数税率、日付をまたぐ営業へケースを増やします。深夜営業なら、カレンダーの日付が変わっても同じ営業日に計上する設定かを見ます。旧POSと新POSで営業日の区切りが違うままでは、同じ一日の売上として比較できません。

合格条件は、正しい金額と支払方法が一度だけ届くこと、修正履歴を追えること、営業日の区切りが合うことです。一つずれたら、取引を増やす前に送り元へ戻ります。どの時点まで一致しているかが分かれば、調べる範囲を絞れます。

旧レジの最終営業日と、新レジの初日をつなぐ

価格や商品名の移行が終わっても、税区分、トッピング、売り切れ、厨房出力先、スタッフ権限は別に確かめます。旧POSから出せるデータと、新POSで取り込める項目も一致するとは限りません。残る登録作業と担当を決めます。

切替え日は、記録する営業日でそろえる
  1. 旧POSの最終営業日最後の締めと送信を照合

    未送信・返金・保留中の取引を確認する。

  2. 切替え担当旧新の連携経路を変更

    同じ売上を両方から送らない。旧取引の後日修正先も決める。

  3. 新POSの初日売上・決済・会計を照合

    金額、重複、営業日を確認する。

店ごとに日付と担当者を書き込むための手順例。

旧POSで売った商品の後日返金が残るなら、切替え後のどちらで処理するかを提供元へ聞きます。新しい画面に入れ直すだけで済むとは限りません。旧連携を止める時刻と、未送信のデータの扱いを合わせて決めます。

スタッフは、会計だけでなく、取消し、返金、領収書、締めまで練習します。問題が出たときの一時対応と連絡先も控えます。新レジへ切り替えた初日に、初めて会計ソフトを開く予定にはしないでください。

初日の数字が合ってから、旧契約の終了へ進む

新POSで営業したら、その日の売上、決済明細、返金、会計への送信を照合します。銀行への入金は入金予定日に照合を続けます。売上の送信が合っただけで、入金確認まで済んだことにはしません。

旧契約は、過去データの保存・出力、解約後の閲覧、機器返却、申出期限、残期間の支払いを確認してから扱います。必要な記録の保存方法は経理担当者と決め、実際に出力したデータを開けることまで確かめます。解約すれば過去の画面へ戻れない場合もあります。

機器を残す案の見積もりには、設置、商品登録、研修、旧新契約が重なる期間の料金も加えます。たとえば会計のたびに金額を二度打つ店なら、機器代だけでなく、打ち間違いを確認する担当と時間も見ます。件数が少なく単独利用で回せる店と、混雑時に自動連携が必要な店では、同じ端末を残す価値が違います。連携が難しい機器を一部替えたほうが店で回しやすい場合もあります。

UMaTレジの導入構成と連携条件を確認する

初日の金額が合わなければ、送り元、修正、営業日の順に戻ります。合っていれば入金日まで追い、旧データの保存を確認して切替えを終える。