24mm幅のテープを選んだのに、文字の上下には白い部分が残る。余白を狭くしても、思っていたほど大きな文字にならない。ここでは、テープそのものの幅と、本体が印字できる範囲を分けて確認します。
ブラザーPT-P710BTは、24mmテープ使用時の最大印字高が18.0mm。キングジム「テプラ」PRO SR-MK2は、最大印刷可能幅が18.1mmです。どちらも24mmテープに対応しますが、その幅いっぱいに印字できる仕様ではありません。
既存のスマホ・PCで使うラベルプリンターの比較でも、この2機種の対応テープと印字範囲に触れています。今回はその続きとして、上下に残る空きと先頭の送り、複数行の文字が小さくなる理由を掘り下げます。
テープ幅と印字範囲の違い
PT-P710BT
テープ幅 24mm
18.0mm
SR-MK2
テープ幅 24mm
18.1mm
どちらも、テープ幅いっぱいに印字できる仕様ではありません。
仕様値から作った模式図です。印刷見本ではなく、帯の中央配置は説明のためです。上下それぞれに残る実際の余白は示していません。
テープ幅は、テープが送り出される向きに対して、横切る方向の長さです。横長に置いた24mm幅のテープなら、上端から下端までが24mm。テープの長さは、送り出される方向に伸びます。
一方、最大印字高・最大印刷可能幅は、そのテープ幅の方向で文字や図を印字できる範囲の上限です。メーカーにより「高さ」「幅」と名称が違いますが、今回比べる18.0mmと18.1mmは、どちらも24mmのテープ幅方向の値です。ラベルの長さが18mmまで、という意味ではありません。
| 確認する仕様 | ブラザーPT-P710BT | キングジムSR-MK2 |
|---|---|---|
| 対応するテープの系統 | TZe規格テープカセット | 「テプラ」PROテープカートリッジ |
| 対応する所定の幅 | 3.5・6・9・12・18・24mm | 4・6・9・12・18・24mm |
| 24mmテープ使用時の最大印字範囲 | 最大印字高18.0mm | 最大印刷可能幅18.1mm |
| テープ幅との差の計算値 | 24−18.0=6.0mm | 24−18.1=5.9mm |
| 24mmの幅いっぱいの印字 | この仕様では対応しない | この仕様では対応しない |
| 今回確認した行数の扱い | 仕様表の最大印刷行数は「—」。固定上限は未確認 | 使用アプリを含む固定上限は未確認 |
| テープ選びの注意 | TZe対応と幅を照合する | 転写テープ・カットラベル・点字テープは対象外 |
出典:PT-P710BTの国内仕様、SR-MK2の国内仕様。確認日は2026年10月16日です。
表の6.0mmと5.9mmは、テープ幅から最大印字範囲を引いた計算値です。上下それぞれを測った値ではありません。上に必ず3mm、下にも必ず3mm残るとまでは断定しません。実際の文字には字形や配置による空きもあるので、目で見える白い部分が、この差とそのまま一致するとも限りません。
また、18.0mmと18.1mmの差だけで、片方が読みやすい、何行多く入る、と順位を付けることもできません。
上下の空きと、左右の余白は別の話
上下 ↕
テープ幅の方向
最大印字範囲・文字サイズ・行数・配置を確認
前後 ↔
テープが進む方向
ラベルの長さ・余白設定・送りやカットの条件を確認
前後の余白を減らしても、本体の最大印字高は広がりません。
ラベルを横長に置いたときの説明です。画面やアプリの操作を再現した図ではありません。
方向をそろえるため、ここではラベルを横長に置き、テープの送り方向を左右、24mm幅の方向を上下と呼びます。縦書きに変えても、テープと本体の印字範囲そのものが広がるわけではありません。
| 気になっている空き | どの方向か | まず確認すること |
|---|---|---|
| 文字の上と下に残る空き | 上下↕:テープ幅の方向 | 本体の最大印字範囲、文字サイズ、行数、配置 |
| 文字の前後に残る空き | 左右↔:テープが進む方向 | ラベルの長さ、前後の余白、送り・カットの条件 |
たとえば「充電ケーブル」と印字し、左側に長い空白が出る問題は、24mmの上下を使い切れない問題と分けます。アプリで前後の余白を変えたり、続けて印刷する設定を使ったりしても、本体の18.0mmという幅方向の上限が24mmへ変わるわけではありません。
TEPRA LINK 2の説明書も、余白設定をテープの最初と最後にある空きの長さとして説明しています。画面に「余白」という項目があったら、まず、どちらの方向を調整する機能なのかを確認します。
ピータッチの先頭送りを減らしたい場合は、先頭余白と連続印刷の機種別手順へ進めます。ここでは、そのオン・オフ操作を繰り返さず、幅方向の空きが残る理由を扱います。
行を増やすと、1行に使える高さが減る
「24mmなら大きな文字を3行入れられる」とは限りません。複数行の文字も、同じ18.0mmまたは18.1mmの帯の中に収めます。そこへ行間や枠を入れれば、文字に使う場所はさらに必要です。
考え方の例として、18mmの帯を2行で等分すれば1行あたり9mm、3行なら6mmです。これは行間や字形を無視した計算例で、アプリの文字サイズを9mm・6mmにすれば必ず収まるという設定値ではありません。印字できる行数の保証でもありません。
たとえば1行目を「充電ケーブル」、2行目を「USB-C/長さ1m」にすると、文字の高さは1行だけのラベルとは違う条件になります。大きさを保ちたいなら、補足を短くする、主題と補足の文字サイズを分ける、別のラベルへ分ける、といった方法を考えます。これは編集上の選択で、本体の印字範囲を広げる操作ではありません。
長い文言を1行に収めたい場合は、テープの送り方向の長さも関係します。貼る場所が許せばラベルを長くする方法があり、短い長さへ固定するなら文言や文字サイズの見直しが必要です。「幅が足りない」と感じたときも、文字の高さが足りないのか、1行の長さが足りないのかを分けると、直す箇所が見えてきます。
今回、両機について、すべてのアプリに共通する最大行数は確定していません。PT-P710BTの仕様欄の「—」を、0行や無制限と読み替えることもしません。
画面の拡大と、文字を大きくする操作を分ける
編集画面を指で拡大して見やすくすることと、印刷する文字そのものを大きくすることも別です。プレビューを拡大できたからといって、出てくるラベルの印字高が増えたとは判断しません。
TEPRA LINK 2の説明書では、画面の拡大縮小と、文字や記号などの部品の拡大縮小を別に説明しています。また、テキストボックスの「自動調整」がオンのときは、枠を拡大縮小しても文字サイズが自動で変わらない、と案内しています。枠だけを大きくしていたのか、文字も変えたのかを見ます。この設定名を、Helloやブラザーのアプリにもそのまま当てはめないようにします。
PT-P710BTも、日本語ユーザーズガイドで、選んだフォントサイズにより印刷結果が見づらくなる場合があると説明しています。書体・文字数・行数・枠を組み合わせた状態でプレビューし、必要なら少数で確認してから枚数を増やします。この記事は実機の読める文字サイズを測定したものではありません。
買い足す前に文言と必要な文字の高さを確認する
いまの本体で作れる範囲に収まるなら、最初に文言と配置を直す方法が候補です。上下の白い部分があるという理由だけで、24mmいっぱいに印字できるつもりで今回のもう一方へ買い替えても、条件は満たしません。
大きな1行を作りたいなら、必要な文字の高さが18.0mmまたは18.1mm以内に収まるかを確認します。実寸24mmの高さを使う図や、幅いっぱいに届く枠線が必要なら、今回の2機種の最大印字範囲では足りません。対応テープ幅だけで本体を選ばず、必要な印字範囲を先に決めます。
本体をこれから選ぶ人は、印字範囲の0.1mm差に加え、手持ちのテープの系統と、使いたい編集アプリも条件にします。TZeの24mmと「テプラ」PROの24mmは、幅の数字が同じだけです。どちらの本体にも流用できるとは判断せず、本体に対応する規格・種類・幅を照合してください。
買い足す順番は、貼る場所を測る、入れる文言と行数を決める、本体の最大印字範囲を確かめる、対応するテープを選ぶ、です。プレビューだけで実際の余白や読める大きさを保証せず、手元で必要な札を確かめてから増やせば、仕様に合うテープと本体を選べます。

