机の引き出しに「充電ケーブル」、書類箱に「取扱説明書」。ラベルの文字をそろえると、しまう場所を決めやすくなる。スマホで数枚作れれば十分な日もあれば、パソコンで名前の一覧を整えて、まとめて印刷したい日もある。

ラベルプリンターは、粘着テープに文字などを印刷して、貼る札を作る道具だ。今回の3機種は本体のキーボードで文字を打つ代わりに、スマホやPC(パソコン)で作った内容を送る。その両方に使うつもりなら、本体を買う前に「どの端末で作り、どう送るか」を確かめたい。

今回は公式仕様をもとに、この3機種を「何で作り、どうつなぐか」で比べる。実機で印字品質や使い心地を試したレビューではない。仕様の確認日は2026年10月11日。

目次

「充電ケーブル」の文字が、テープへ出るまで

スマホのアプリで「充電ケーブル」と入力し、文字の大きさや配置を選ぶ。できた印刷データを本体へ送り、本体に入れた対応テープへ印刷する。この順でラベルが一枚できる。アプリは文字や配置を作る道具、プリンター本体は実際にテープへ出す道具だ。使うテープの種類と幅も、本体に合うものを選ぶ。

送る方法には、ケーブルでつなぐUSBと、近くの機器同士を無線でつなぐBluetoothがある。両方にBluetoothがあっても、使うアプリと本体がその組み合わせに対応していなければ印刷できない。充電器へUSBを挿しただけでは文字データを送ったことにもならない。編集、データ接続、電源を別々に見る理由はここにある。

収納箱へ数枚なら、スマホでその都度打つ方法が候補になる。名前違いを50枚作るなら、PCにある一覧を使い、一枚ごとに打ち直す仕事を減らせるかを比べたい。同じ印字ができても、日々の準備が変わる。その違いを比べるために、スマホ専用のPT-P300BT、PCへUSBでつなぐPT-P710BT、PCでも無線を使えるSR-MK2を取り上げる。対応条件は次で確かめよう。

スマホだけか、PCでも作るかを先に決める

接続とラベルの幅を先に並べると、候補を絞りやすい。

  • PT-P300BT:スマホ用。PC非対応。TZeテープは3.5〜12mm幅、最大印字高9.0mm。カットは手動。
  • PT-P710BT:スマホとWindows・Macに対応。PC接続はUSB。TZeテープは3.5〜24mm幅、最大印字高18.0mm。自動カット。
  • SR-MK2:スマホとWindows・Macに対応。PC接続はUSBまたはBluetooth。PROテープは4〜24mm幅、最大印刷可能幅18.1mm。自動カット。転写テープ・カットラベル・点字テープカートリッジは対象外。
PT-P300BTはPC非対応、PT-P710BTはPCとUSB接続、SR-MK2はPCとUSBまたはBluetooth接続。3機種ともスマホにはBluetoothで接続する比較図
PC対応と無線接続は別の確認事項。OSと使用アプリは、各メーカーの最新案内を確認してください。

テープ幅の範囲には対応する所定の幅があり、好きな幅を自由に指定できる意味ではない。また、24mmのテープでも、その幅いっぱいに印字できるわけではない。

収納箱に短い名前を付けるなら、まず貼る場所を測ってみよう。12mm以内で足り、スマホだけで作るなら、PC非対応がすぐ弱点になるわけではない。大きな文字や複数行を入れたい場合は、幅の広い機種を検討する理由になる。

出典:ブラザー「PT-P300BT 仕様・スペック」「PT-P710BT 仕様・スペック」、キングジム「SR-MK2」[1][2][3]

PT-P710BTは、PCとのBluetooth接続ができない

PT-P710BTはスマホでP-touch Design&Print 2、PCでP-touch Editorを使える。本体にBluetoothがあるので、PCからも無線で印刷できそうに見えるが、公式仕様はPCとの接続に付属USBケーブルを使い、Bluetooth接続はできないと案内している。[2][4]

たとえばPCは机の上、本体は少し離れた棚に置きたい場合。スマホから使うときの置き方だけで決めず、PCにつなぐケーブルの届く範囲も考えておく。端子の形が合うかも購入前の確認事項だ。

SR-MK2は、Windowsでは「テプラ クリエイター」、Macでは「TEPRA LINK 2」を使い、USBとBluetoothに対応する。スマホ向けにはHelloやTEPRA LINK 2がある。なお、iOS・Android版TEPRA LINK 2はUSB接続に対応していない。スマホにケーブルを挿せれば使える、とは考えないほうがよい。[3][5][6]

すでにP300BTを持っている場合、PCにP-touch Editorを入れてもPC対応機になるわけではない。今の使い方に困っていなければそのまま使い、PCが必要な作業ができたところで買い替えを考えても遅くない。

Windows・Macという名前の次に、OSの版を確認する

OSは端末を動かす基本ソフトで、WindowsやmacOSなどに版がある。アプリと本体の間で印刷の指示を扱うソフトが、プリンタードライバーだ。「Windows対応」「Mac対応」は入口で、実際には手元のOSの版と、使うアプリ・ドライバーの組み合わせを確認する必要がある。

P710BTは、製品ページに古いOSの表が残っているため、現在のサポートページで手元のOSを選び直したい。確認時点ではWindows 11やmacOS 26などの選択肢がある一方、ARMベースのWindows向けドライバーは提供されていない。[7]

SR-MK2で使うテプラ クリエイターもARM版Windowsには非対応。ARMはPCの処理装置の方式の一つで、ソフトの対応条件に関係する。Windows 11と書かれたPCなら全部同じ、とは限らない。TEPRA LINK 2はiOS 16以降、Android 11以降、macOS 13以降が案内されているが、一部の端末は非対応だ。自分の端末のシステム情報とメーカーの対応表を照合しよう。[5][6]

会社PCで使うなら、ソフトやドライバーを入れられるかも先に確認しておこう。本体を買ったあとで管理者への申請が必要だと分かると、使い始めたい日に間に合わないことがある。

同じ本体を使えても、編集ファイルは別に確認

自宅のスマホで作ったラベルを、職場のPCで続きを編集したい。この場合は「印刷できるか」だけでなく、保存ファイルを開けるかが大切になる。

SR-MK2のWindows用テプラ クリエイターは、TEPRA LINK 2やHelloなどのアプリと連携・互換性がないと明記されている。WindowsとMacから同じ本体に印刷できても、同じ編集ファイルをそのまま往復できるという意味ではない。[6]

複数人で使うなら、まず「同じ名前を印刷できればよい」のか、「配置や書体まで再編集して共有したい」のかを決めよう。前者なら文言の原本を残し、それぞれのアプリで作る運用も考えられる。後者は保存形式や対応機能の確認が必要だ。ブラザーを含め、ここでは異なるアプリ間の完全な互換性を保証しない。

一覧から名前違いのラベルを50枚作るなら、流し込み印刷も確認したい。一つの配置に、一覧の名前などを順に当てはめて印刷する機能だ。テプラ クリエイターにはCSVという表のデータ形式やExcelのデータを読み込む機能がある。毎回名前を打つ方法と比べると、手元の一覧を使えることが選ぶ理由になる。ただし、長い名前が枠に収まるかは別。少数の見本で確認してから全件を印刷するほうが、貼り直しを減らせる。[6]

USBケーブルでつなぐことと、電源を取ること

SR-MK2で見落としたくないのが電源だ。USB接続の公式手順は、ACアダプタまたは電池で本体の電源を入れてから、USBケーブルをつなぐ順番になっている。付属ケーブルだけで印刷の準備が終わるわけではない。また、同手順はPCへ接続する前にプリンタードライバーをインストールするよう案内している。導入時は利用するOS向けの手順を先に読んでおこう。[8]

この接続順は2026年10月12日に公式手順の本文で再照合した。まず利用するOS向けのドライバーを先に入れ、ACアダプタまたは電池で電源を入れ、本体側、PC側の順にUSBケーブルをつなぐ。購入後は手元のOSに合う導入案内と接続手順を開き、順番を追って進めよう。

電源の違いをまとめると、P300BTは別売の単4電池6本またはACアダプター。P710BTは同梱の充電池を使い、USBで充電する。SR-MK2は別売の単3電池6本またはACアダプタを使う。[1][2][3]

本体価格を見比べるときは、次の費用も横に書き出してみよう。

  • 使い始めるための電池、ACアダプターなど
  • 必要な色・幅・種類のテープ
  • PC側の端子に合う接続用品
  • 使い続ける際のテープ交換費用

P710BTにはUSBケーブルと充電池が付くが、USB-ACアダプターは付かない。店のセット販売では内容が変わるので、「本体のみ」か「テープ付き」かもそろえて比較したい。[2]

この記事では実売価格や在庫を調べていないため、安さの順位や1枚あたりの印刷費用は付けていない。

最初に作りたいラベルを一つ書いてみる

迷ったら、次の4行を埋めてみよう。

作りたいもの:____ 必要な枚数:__枚
使う端末・OS:____ 接続方法:____
貼る場所の幅:__mm 使いたいテープ:____
引き継ぎたい編集ファイル・使用アプリ:____

スマホだけで収納用を数枚、12mmまでのテープで足りるならP300BTも候補になる。PCでも作り、ケーブルを置けるならP710BT。PCと本体を離して置き、Bluetoothを使いたいなら、今回の3機種ではSR-MK2を確認する。反対に、スマホで作った配置をそのままWindowsでも編集することが必須なら、SR-MK2の本体対応だけでは条件を満たさない。アプリ間の互換性まで合う運用を選ぶ。

この順に選ぶと、便利そうな機能の数から離れられる。作る文字と枚数を決め、端末とOS、接続、テープ、電源までつなげてみよう。

名前を5枚付けるだけなら、紙とペンで足りる場合もある。まず一つの引き出しに付ける文字を決めてみる。道具を選ぶのは、そこからでもよい。

本の収納も見直すなら、「文庫本の保管用品を比較 カバー・ブックエンド・収納ケースはどれが必要か」もどうぞ。ラベルを付ける前に、何をどの箱に収めるかを決められます。

参照した公式情報

[1] PT-P300BT 仕様・スペック
https://www.brother.co.jp/product/labelwriter/ptp300bt/spec/index.aspx

[2] PT-P710BT 仕様・スペック
https://www.brother.co.jp/product/labelwriter/ptp710bt/spec/index.aspx

[3] テプラ PRO SR-MK2
https://www.kingjim.co.jp/products/tepra/sr-mk2.html

[4] PT-P710BT 特長
https://www.brother.co.jp/product/labelwriter/ptp710bt/feature/index.aspx

[5] TEPRA LINK 2
https://www.kingjim.co.jp/sp/tepra_link2/

[6] テプラ クリエイター
https://www.kingjim.co.jp/sp/tepra_creator/

[7] PT-P710BT ソフトウェアダウンロード
https://support.brother.co.jp/j/b/downloadtop.aspx?c=jp&lang=ja&prod=es_p710btjp

[8] SR-MK2 USBで接続する
https://www.kingjim.co.jp/download/manual/tepra/sr-mk2/03-01-02-01.html