Airレジで紙のレシートを出すなら、セイコーインスツルのRP-F10とスター精密のmC-Print3は、どちらも候補になります。両機とも58mm・80mm幅の用紙、Bluetooth・USB接続、別置きのキャッシュドロアに対応しています。紙幅の広さだけで片方に決める比較ではありません。

選び分けるなら、プリンター側がUSB Type-Cで、前面・上面の排紙方向を選びたい店はRP-F10。前面排紙で置き場所が決まり、左右・後方の配線や手持ちの対応ドロアとの組み合わせが合う店はmC-Print3のMCP31LBが候補です。これは公式仕様からの編集上の判断です。まず、端末から紙を渡す場所までを店のカウンター上で決めましょう。

目次

比較する型番を先にそろえる

この記事のRP-F10は「RP-F10-W27J1-5(白)/RP-F10-K27J1-5(黒)」、mC-Print3は「MCP31LB WT JP(白)/MCP31LB BK JP(黒)」に限ります。Airレジの周辺機器ページに掲載されている型番です。

RP-F10は末尾が「-5」のUSB Type-C PDモデルが対象です。Airレジ公式は、それ以外のRP-F10を動作確認の対象外としています。mC-Print3もMCP31LB以外は動作確認の対象外です。シリーズ名が同じでも、メーカーの別モデルにある端子や機能をそのまま当てはめられません。中古品や本体のみの出品では、商品名に加えて本体の型番表示を確認してください。RP-F10の接続案内、mC-Print3の接続案内で対象を確認できます。

まずは役割と違いを比較表で確認

POSは、商品と金額を入力し、会計や売上の記録を扱う仕組みです。Airレジがその役割を担い、プリンターが会計内容を紙に出します。キャッシュドロアは紙幣・硬貨をしまう引き出しです。今回の2機種はドロアを内蔵していないため、現金用の引き出しが必要なら別に用意します。

比較する点RP-F10の対象モデルmC-Print3のMCP31LB
Airレジとの接続Bluetooth/USBBluetooth/USB
Airレジ有線接続で使うプリンター側の端子USB Type-CUSB Type-Aの2.4Aポート
レシートの紙幅58mm/80mm58mm/80mm
最大ロール紙径83mm83mm
本体の幅×奥行×高さ127×127×127mm(突起部を除く)132×140×125mm
排紙方向前面/上面を選択可能平置き・前面排紙
キャッシュドロア接続可能、互換性の確認が必要接続可能、互換性の確認が必要

対応、紙幅、寸法はAirレジの対応プリンター一覧と周辺機器ページを参照。排紙方向はSIIの製品説明とスター精密の仕様表に基づきます。本体の寸法には、ケーブルの曲がりや紙交換で必要になる作業場所を含めて考えていません。

接続は「無線か有線か」と「どこに挿すか」を分ける

Bluetoothは、iPad・iPhoneとプリンターの間で印刷データを無線で送る方法です。USBはケーブルで送ります。どちらを選んでも、据え置きプリンターの電源は別に必要です。Bluetoothを選べば電源コードまでなくなるわけではありません。

レジ端末を手に持って動かす場面があるなら、端末とプリンターを線でつながないBluetoothが候補です。ただし、無線の状態は周囲の電波や障害物、置く距離の影響を受けます。レジ台に端末を固定するなら、有線の取り回しを先に検討しやすいでしょう。どちらが途切れにくいかは店内で未検証のため、機種の優劣として断定しません。スター精密の接続トラブル案内も、Bluetoothは設置環境に応じた評価が必要と説明しています。

有線では、端末側とプリンター側の両端を確認します。RP-F10のプリンター側はUSB Type-C。端末側は手持ちのiPad・iPhoneに合わせてLightningかUSB Type-Cを選びます。MCP31LBはプリンター側がUSB Type-Aで、背面の「2.4A」ポートに挿します。USB Type-CのiPadを使っていても、MCP31LB本体にUSB Type-C端子があるという意味ではありません。

端末側がUSB Type-Cなら、RP-F10はType-C―Type-C、MCP31LBはType-C―Type-Aという違いになります。充電だけのケーブルは使えません。Lightningの場合はApple純正品またはMFi認証品という条件もあります。買い足すケーブルは、RP-F10の有線接続案内とMCP31LBの有線接続案内で照合しましょう。

また、端子があることと、その端子をAirレジで使えることは別です。たとえばMCP31LBのメーカー仕様にはLAN端子もありますが、Airレジ公式で案内されている接続はBluetoothとUSBです。「LANがあるからAirレジもLAN接続で使う」とは判断しません。

AirペイやAirペイ QRの対応も、接続方式とは別に確認する項目です。Airペイ公式の対応表では、今回の両型番ともBluetooth/USB接続が掲載され、Airレジとの共通利用も案内されています。したがって、Airペイの利用予定だけで片方に絞る必要はありません。一方、ほかのPOS・決済サービスへ移る場合は、そのサービス側で同じ型番と接続方法の対応を調べ直します。

58mmと80mmは、使い始める前に決める

両機とも用紙幅を選べますが、買ってから日替わりで替える使い方は避けます。RP-F10は、使用開始後の紙幅変更が故障の原因になるとAirレジ公式が注意しています。MCP31LBのロール紙ガイドの説明にも、使い始めた後は紙幅を変更しないよう記載があります。紙幅ごとにヘッドやローラー、カッターの摩耗状態が異なるためです。

58mmにする場合、RP-F10は付属のパーテーションプレート、MCP31LBは付属のロール紙ガイドを使います。さらにプリンター本体とAirレジ側の設定を、入れる用紙にそろえる必要があります。細いロール紙を入れるだけで準備が終わるわけではありません。

選び方としては、商品名や明細が多く、横方向の余裕を重視するなら80mmから検討するのが自然です。短い明細が中心で、細いレシートを渡したいなら58mmも候補になります。これは紙幅からの判断で、実際の折り返しや見やすさを保証するものではありません。用紙代も幅だけで決まらず、巻き長さや購入単位、印刷する内容によって変わります。

機種・紙幅を決めたら、長い商品名、複数商品、割引など、普段の会計に近い内容で印字を確認します。紙面に何を確認するかは、実際の紙の印字を確認する記事を読むと整理しやすくなります。プリンターの仕様だけから、店に必要な記載がすべて整うとは判断しないことが大切です。

現金を扱うなら、ドロアまで一組で選ぶ

自動で開くドロアは、対応するプリンターへケーブルで接続して使います。iPadとプリンターをBluetoothでつないだ場合も、ドロアまで無線になるわけではありません。

Airレジの対応ドロア一覧は、プリンターとの接続互換性があれば利用できると説明しています。ここで確認したいのは、今のドロアの型番、接続先プリンターへの対応、必要なケーブルです。差込口の形が似ているだけでは、使い回せると決められません。手持ちのドロアがある店は、その互換性を確認してからプリンターを選ぶと買い替えの範囲を決められます。

新規にそろえるなら、プリンターの小ささに加えてドロア本体の幅・奥行、引き出す方向、開いたときに人が立つ場所まで測ります。現金を扱わない店や手動の引き出しで足りる店では、自動開閉への対応は選定の中心になりません。両機ともドロアを別置きできる点は共通なので、メーカー名だけで収納量や設置のしやすさを決めないようにしましょう。

置き場から見た選び方と、それぞれの弱点

RP-F10は幅・奥行とも127mmで、MCP31LBより本体の占める範囲が小さく、上面排紙も選べます。カウンター上で上に出た紙を取りたい場合や、置き方の候補を残したい店に向いています。ただし、高さはMCP31LBより2mm高く、本体が収まるだけでは紙交換や配線まで収まりません。USB Type-C端子があることだけで、手持ちの端末すべての充電条件が満たされるとも限りません。

MCP31LBは前面に紙を出す置き方で、ケーブルを左右・後方の3方向へ逃がせます。前に立つスタッフが紙を取り、電源やドロアの線を横へ通す配置なら選びやすい仕様です。弱点は、今回の比較対象に上面排紙や本体側のUSB Type-C端子がなく、RP-F10より幅・奥行が必要なこと。mC-Print3の別モデルの仕様を見て、この条件を補えると考えないでください。

最終的には、端末の端子とケーブル、開店時から使う紙幅、ドロアの互換性、紙交換まで含む置き場の順で絞ります。RP-F10の小ささや排紙方向が必要ならRP-F10、MCP31LBの前面排紙・配線と既存機器の組み合わせで収まるならMCP31LB。どちらでも条件を満たす店は、本体・ケーブル・ドロアを含む見積もりで比べるのが現実的です。

この記事では実売価格、在庫、販売店ごとの同梱品、実機の印字品質・音・連続運用時の安定性を確認していません。速度の順位も付けていません。POSサービス自体が未定なら、先にPOSサービス全体の選び方で必要な会計機能を決めると、プリンターを選び直す手間を減らせます。

確認日:2026年10月16日。公式仕様・対応案内に基づく比較で、実機レビューではありません。