確認日:2026年10月11日
海外で地図を見たりWebを使ったりする旅行用データeSIM。対応端末へデジタルで追加するSIMを使っていても、日本の電話番号宛てのSMS、つまり番号へ届く短い文字メッセージを受け取れる場合があります。日本の番号を持つ元の回線が契約中で、渡航先のSMSに対応し、端末でも有効になっていることが条件です。
予約サイトなどへログインするときの認証SMSは、その番号を使える本人かを確認するコードを届けるものです。届く先は日本の番号の回線。旅行eSIMを追加しただけで、そこへ転送されるわけではありません。また、回線が使えても、認証サービス側の制限でコードが届かないことがあります。
この記事では、日本のSIMと旅行用eSIMを1台で使う場合を中心に、契約・端末・料金・認証サービスの順で確認します。公式情報を整理した記事で、海外での実機テストやSMS到達率の検証は行っていません。衛星通信などの特殊な受信方法は対象外です。
目次
eSIMを追加しても、SMSの宛先番号は変わらない
まずSIMと回線を分けます。SIMは、携帯会社の契約を端末で使うためのもの。カードを差す形のSIMも、デジタルで設定するeSIMもあります。この記事の「日本の回線」は、普段の日本の番号を契約している通信サービス、「旅行の回線」は、旅行用に追加した別の通信サービスを指します。eSIMという形だけで、通話やSMSが含まれるかは決まりません。AppleのデュアルSIM案内
たとえば旅行eSIMで地図は開けるのに、ログイン用コードが来ない。地図を見るインターネット接続と、日本の番号へ届くSMSでは、確認する回線が違うからです。データ通信先を旅行eSIMへ変えても、サービスに登録した日本の番号が旅行eSIMの番号へ書き換わるわけではありません。使いたいことを次の三つに分けると、購入する商品と残す設定が見えてきます。
| 使いたいこと | 主に確認する回線・サービス |
|---|---|
| 地図やWeb、LINEなどのインターネット通信 | 旅行eSIMなど、モバイルデータ通信用に選んだ回線 |
| 日本の番号宛てのSMS認証 | その番号を契約している日本の回線 |
| 日本の番号で電話をかける・受ける | 日本の回線の海外通話対応と料金 |
データ専用eSIMは、インターネット接続用の商品です。電話番号付き・通話付きの商品もあるため「eSIMなら全部同じ」とは判断できません。例えばAiraloは、多くのeSIMがデータ専用で、通常の通話やSMSを使えないと案内しています。Airalo公式FAQ
LINEなどのアプリや、Appleのメッセージ機能iMessageが動くことも、日本の番号でSMSを受け取れる証拠にはなりません。認証画面に「SMSで送信」と表示されているなら、日本側の回線を確かめましょう。
1台で二つのSIMを使う方法を「デュアルSIM」と呼びます。海外データ通信を旅行回線、元の番号のSMSを日本回線に担当させる使い方ができれば、カードを入れ替えるだけの運用とは準備が変わります。対応する組み合わせは機種・購入地域・携帯会社によって違うため、商品を買う前に端末側も確認します。詳しい見る場所は後半で整理します。
日本のSIMを残すだけでは足りない
日本の契約で、提携する海外の携帯ネットワークを使う仕組みが「国際ローミング」です。SMSを海外で受けるには、その契約で何が使えるかを調べます。データ通信ができるかと、SMSを受けられるかも一緒には決まりません。
受信のために確認するのは次の4点です。
- 認証先に登録した日本の番号を、現在も契約している
- そのプラン・SIM種別が、渡航先でのSMS受信に対応している
- 必要な国際ローミングの申込みや利用設定が済んでいる
- 端末で日本の回線が有効になり、利用可能な現地ネットワークにつながっている
SIMを端末に入れたままでも、回線をオフにしたり、契約の海外利用が無効だったりすれば、通常の携帯電話網経由では受信できません。eSIMの「プロファイル」は、端末へ追加した回線の設定情報です。それが保存されていることと、有効な回線として使えることも別です。
契約種別による違いの例がIIJmioです。2026年9月1日更新のFAQでは、SMS SIM/SMS eSIMのタイプAは海外SMSに対応、タイプDは非対応と案内されています。IIJmio公式FAQ
さらに同日以降に利用を開始したタイプAのSMS SIM/SMS eSIMは、初期状態で国際ローミングが無効で、別途申込みが必要です。手続き後すぐに使えない場合もあるため、出国前に確認しましょう。音声SIMの条件とは分けて確認してください。タイプAの提供条件変更
つまり「日本でSMSを使えるから海外でも使える」とは限りません。格安SIMでも、借りている大手キャリアの名称ではなく、契約先のプラン名とSIM種別で調べる必要があります。
旅行eSIMを選ぶ理由は、必要な渡航先・日数・データ量に合うインターネット接続を追加することです。日本番号の認証SMSを受けたいだけなら、データ専用の旅行商品を買い足すことが解決にはなりません。まず日本の契約を調べ、データ通信も必要なら既存契約の海外枠と旅行商品を比べます。
SMS受信料と、電話・データ通信料は別
以下はドコモとソフトバンクの海外SMSに関する公式案内です。契約先が別ブランド・別事業者の場合は、その契約先の案内で確認してください。
| 契約先と対象 | 海外SMS受信 | 海外SMS送信の基本料金 | 先に確かめる条件 |
|---|---|---|---|
| ドコモのWORLD WING | 無料 | 100円/通 | WORLD WINGの申込み、渡航先・機種の対応 |
| ソフトバンクの海外利用 | 無料 | 100円/1メッセージ、全角70字相当まで | 世界対応ケータイなどの契約状態、渡航先・機種の対応 |
出典:ドコモの海外SMS料金、WORLD WINGの申込み、ソフトバンクの海外SMS FAQ、海外サービス案内
ソフトバンクは長文SMSで複数通分の送信料が発生する条件も案内しています。表は基本料金で、地域・サービスによる特典まで一律に反映したものではありません。国際サービス料金は両社とも課税対象外です。
ここで無料なのは、表に示したSMSの受信料です。日本側の契約の月額料金、SMSの返信、電話の発信・応答、データ通信まで無料になる意味ではありません。海外では電話に出る側にも料金が生じる場合があり、国内のかけ放題やデータ定額がそのまま適用されるとは限りません。ソフトバンクのサービスエリア・料金
iPhoneのiMessageや、Appleの音声・ビデオ通話機能FaceTimeの電話番号認証にもSMSが使われ、課金される場合があります。「自分ではSMSを送っていないから送信料は絶対にかからない」と決めつけず、旅先で不要な再設定を繰り返さないようにしましょう。Appleの電話番号認証案内
「回線をオン」と「データローミングをオン」を混同しない
日本の番号でSMSを待ち受けるための回線の有効化と、その回線で海外のインターネット通信を使う設定は別です。「データローミング」は、海外ネットワークでその回線のデータ通信を使う設定。国際ローミング全体の申込みや、回線自体のオン・オフとは分けて扱います。
例えばソフトバンクのiPhone向けFAQは、データローミングをオフにしても電話・SMSは利用できると説明しています。SMSが届かないときに、確認せず日本側のデータローミングまでオンにする必要はありません。ソフトバンクの設定説明
旅行eSIMだけでデータ通信をしたい場合は、次の役割分担が可能かを端末と契約先の案内で確認します。
- 日本の回線:SMS受信に必要な海外利用を確保し、不要なデータ通信を防ぐ
- 旅行eSIM:データ通信用に選び、その商品指定の接続設定を使う
- データ回線の自動切替:日本側へ意図せず切り替わらない設定か確認する
旅行eSIM側では、商品によってデータローミングをオンにする必要があります。日本側と旅行側の設定を取り違えないことが重要です。Androidでは設定の適用範囲も機種で異なるため、画面の対象回線が不明なら一括で変更せず、機種別の説明を確認してください。Airaloの接続設定案内
図を拡大して見る(別タブ)
iPhoneとAndroidで見る場所
iPhone
「設定」→「モバイル通信」から、日本の回線と旅行eSIMを区別し、「モバイルデータ通信」に使う回線を確認します。SMSの宛先番号は、データ通信の選択を変えても旅行eSIMへ移りません。
Appleはデータ回線の選択と「モバイルデータ通信の切替を許可」を別項目で案内しています。切替の挙動には通話中・ローミング中の条件があるため、「オンなら必ず高額請求」「オフなら何をしても安全」という説明はできません。日本側のデータ通信を使わない運用では、切替許可と回線別の設定を併せて確認します。
また、異なる事業者のSIMを使うにはSIMロックの条件を満たす必要があります。SIMロックは、端末で使える通信事業者を制限する仕組みです。対応するSIMの組合せは購入地域・機種でも異なります。AppleのデュアルSIM案内
AndroidはPixelの例を他機種へそのまま当てはめない
Google Pixelでは「設定」→「ネットワークとインターネット」→「SIM」で、通話・テキストメッセージ・モバイルデータの用途別設定を確認できます。自動データ切替や通話中のデータ利用に関する設定もあります。
Google公式でも、機種世代や通信事業者によって条件が分かれています。Galaxy、Xperia、AQUOSなどは各メーカーの手順を使い、同じ名称の項目があると決めつけないでください。Google PixelのデュアルSIM案内
なお、eSIMを複数保存できる端末でも、同時に有効化できる組合せは別問題です。日本の回線と旅行eSIMを同時利用できない場合は、渡航前に別端末の利用や、認証サービスが認める別の認証方法を検討します。
出国前に確認しておくこと
現地でログインできなくなる前に、次を確認しておきましょう。
- 日本の契約名・SIM種別、渡航先でのSMS可否、必要な申込み
- 海外SMSの受信料・送信料、通話・留守番電話などの料金
- 端末のデュアルSIM対応、SIMロック、回線ごとの表示名
- 認証先に登録した電話番号が現在の番号と一致しているか
- サービスが提供する別の認証方法が使えるか
別の認証方法には、アプリで確認コードを出す方法、端末の画面ロックなどで本人確認するパスキー、事前に保存する予備のバックアップコードなどがあります。どれが使えるかはサービスごとに違います。名前だけ一覧に控えるのでなく、自分が旅行中に使うログイン画面で選べるよう、出国前に公式手順で用意してください。Googleの2段階認証トラブル対処
パスワードなどに加えて本人確認をする仕組みが、2段階認証です。SMSが使えないときにもサービスが認める確認方法へ進めるよう、代替手段を出国前に用意します。バックアップコードは他人に見せず安全に保管してください。2段階認証そのものを無効にする必要はありません。
なお、国内での受信テストは番号や設定の確認には役立ちますが、海外での受信保証にはなりません。既存契約に海外データ枠がある場合は、旅行eSIMを追加購入しなくても足りる可能性があります。SMS受信の可否とデータ商品の購入判断は分けて考えましょう。
現地で認証SMSが届かないときの順序
1.認証先の番号と日本の回線を確認する
認証画面の送信先番号を確認し、日本側の回線がオフ・圏外になっていないか見ます。旅行eSIMでWebを見られていても、日本側が接続できているとは限りません。機内モード中にWi-Fiを使えているだけ、という状態にも注意してください。
2.契約とエリアを確認する
契約先の公式案内で、海外SMSの対象国、SIM種別、利用制限、障害情報を確認します。料金不明のまま試し電話やSMS送信をしたり、日本側のデータローミングをオンにしたりしないでください。
3.SMSと認証サービスの問題を切り分ける
メッセージアプリ内の迷惑メッセージ欄やブロック状態を確認します。別のSMSが届いていても、そのサービスの認証コードが必ず届くとは限りません。
Googleは、普段と異なる場所などからのログインを検出するとSMSコードを取得できない場合があると説明しています。再送を連打せず、認証画面の待機時間や案内に従いましょう。Googleの2段階認証トラブル対処
4.公式の別手段かサポートを使う
事前に用意した認証方法が選べるなら、そのサービスの公式画面から利用します。音声電話による認証は海外着信料も確認してから選んでください。解決しない場合は契約先と認証サービスの公式サポートで確認し、公開のSMS受信サイトや他人の番号で代用しないでください。
結論として、旅行用データeSIMと日本のSMS受信は両立できる場合があります。まず日本の回線の海外SMS条件を確認し、その後にデータ回線を選ぶ順番なら、認証と通信料金を整理しやすくなります。
通信の準備ができたら、旅の楽しみも少し先へ
ログインや通信の確認を済ませたら、旅で残したい写真のことも考えてみませんか。帰ってから見返すなら、Google フォトで一日分をアルバムにする方法があります。こちらはパソコンのブラウザを使い、保存済みの写真を選んで並べ、短いメモを添える記事です。
行く場所を考える時間も好きなら、昔の空中写真と今の地図から、街歩きの寄り道を見つける方法も。パソコンで日本の町を見比べ、気になる二地点を選んで散歩へ持ち出す話です。次に日本を歩く日の楽しみを、通信の準備とは別に探してみてもよいと思います。



