「ノートPCの空き容量を増やしたい。でも、外出先で使うPDFや写真、Word・Excelのファイルは残したい」。この場合は、普段使っているクラウドで、必要なファイルだけをPCに保持する方法が候補になります。

OneDriveならファイルオンデマンドで必要分を「このデバイス上で常に保持する」に指定。パソコン版Googleドライブなら、ストリーミングを使い、必要分を「オフラインで使用可」に指定します。Googleドライブのマイドライブ全体を手元にも置きたいなら、PC容量を確保したうえでミラーリングを検討できます。

ここではWindows 11の個人利用を中心に、PDF・JPEGなどの写真・Officeファイルといった通常のファイルを比較します。クラウドの保存容量を追加購入する話や、Googleフォト・iCloud写真の整理とは対象が異なります。

目次

最初に「どこの容量か」を分ける

PCのディスク容量は、手元のSSDなどに保存できる量です。クラウドの保存容量は、OneDriveやGoogleアカウント側に保存できる量。この2つは別です。ファイル本体をPCに置く量を減らしても、クラウド側のファイルや保存容量の上限はそのままです。Google公式の容量の説明も、PCとアカウントの容量を区別しています。

また、エクスプローラーにファイル名やサムネイルが見えることと、ファイル本体がPCにあることは別です。OneDriveには本体の代わりにプレースホルダーなどを置く仕組みがあります。「オンラインのみならPCの使用量がすべてゼロになる」と考えず、一覧の表示と本体の保存を分けて確認しましょう。Microsoft公式のサイズ表示の説明

3つの使い方を比べる

使い方PCへの保存ネットがない場所で使うには向いている使い方
OneDriveのファイルオンデマンド本体を必要に応じて取得。常に保持する指定もできる必要分を常に保持し、ダウンロード完了を確認するOneDriveを使いながら、持ち歩くファイルを絞りたい
Googleドライブのストリーミング主にクラウドに保存。開いたファイルやオフライン指定分などはPC容量を使う必要分をオフライン指定。Windowsではパソコン版ドライブの実行も必要Googleドライブを使いながら、PCへの保存量を抑えたい
Googleドライブのミラーリングマイドライブの通常ファイルをPCにも保存同期・ダウンロード完了後は、手元のファイルを利用できるマイドライブ全体をオフラインで使う機会が多く、PC容量に余裕がある

Googleの2方式は、マイドライブの同期方法の選択です。共有ドライブなど、ミラーリングを選べない対象もあります。OneDriveとGoogleの設定名を一対一で置き換えず、保存範囲と利用条件で比べるのが確実です。OneDriveの公式説明、Googleの方式比較

OneDriveは「開いた」と「常に保持」を区別する

OneDriveのファイル横の状態アイコンには、主に次の違いがあります。

  • 青い雲:オンラインのみ。本体はPCに保持されておらず、ネットがないと開けません。
  • 白い丸に緑のチェックなど:ローカルで利用可能。一度開いてダウンロードされたファイルなどで、オフラインでも開けます。
  • 緑の丸に白いチェック:常に保持する指定がされたファイル。PC容量を使って本体を残します。

ローカルで利用可能なファイルは、ストレージセンサーの設定によって一定期間後にオンラインのみに戻る場合があります。外出先で必ず使うものは、「前に開いたから残っているはず」で済ませず、常に保持する指定と完了状態を確認するのがよいでしょう。これは各ファイル横の表示の話です。通知領域にあるOneDriveアプリ自体の雲アイコンとは役割が異なります。Microsoft公式のアイコン一覧

容量を空けたいファイルに使うのは「空き領域を増やす」です。クラウド側のファイルを残し、PC上の本体をオンラインのみの状態に戻せます。必要になれば、ネット接続中に再びダウンロードします。逆に、常に保持するフォルダーでは、その中に増えた新しいファイルもダウンロードされます。写真を大量に入れる大きな親フォルダーを丸ごと指定すると、想定より容量を使うことがあります。Microsoft公式のファイルオンデマンドの説明

Googleドライブは「必要分だけ」と「全体を手元に」で選ぶ

ストリーミングでは、エクスプローラーからクラウドのファイルを参照できます。本体は必要に応じて取得され、ローカルのキャッシュにも保存されます。最近開いたものなどがPC容量を使うため、ストリーミングもPC使用量がゼロになる方式ではありません。

持ち歩く通常ファイルは、ファイルやフォルダーの右クリックメニューから「オフライン アクセス」→「オフラインで使用可」に指定できます。保存後の目印は緑のチェックです。フォルダー単位で指定すると、中のファイルや後から追加される項目にも適用されます。Google公式のオフライン利用の説明

Windowsのストリーミングでは、オフライン指定したファイルにアクセスするときもパソコン版ドライブを実行し、アカウントの接続を保つ必要があります。ネットを切ることと、アプリを終了したりアカウント接続を解除したりすることは別です。接続解除では、ストリーミングしたオフラインファイルが削除されます。

ミラーリングなら、マイドライブの通常ファイルの完全なコピーをPCにも置き、アプリが動いていないときもローカルファイルとしてアクセスできます。その分、PCの容量を広く使います。持ち歩く範囲が一部ならストリーミング、全体を頻繁に使うならミラーリング、という選び方になります。Google公式の詳細ガイド

ダウンロード・保持・削除は目的が違う

ダウンロードは、クラウドにある本体をPCへ取得すること。保持やオフライン指定は、ネットがないときに使うファイルを手元に用意するための指定です。指定後も、容量不足や通信エラーがあれば準備が終わっていない可能性があるので、完了を確かめます。

一方、同期対象のファイルを「削除」するのは、PC分だけを減らす操作とは限りません。OneDriveではオンラインのみのファイルの削除もクラウドや他の端末に反映されます。Googleドライブも、ストリーミング・ミラーリングのどちらでも、ゴミ箱へ移す操作は各所へ反映されます。クラウドに残したいファイルの容量整理に、通常の削除を使わないようにしましょう。OneDriveの削除に関する説明、Googleの削除に関する説明

同期は変更をそろえる仕組みなので、削除の影響を受けない独立した保管コピーと同じには扱えません。PCとクラウドの両方に見える、という理由だけで「片方を消しても必ず残る」と判断しないことが大切です。

ミラーリングから切り替えるときは、旧フォルダーを先に消さない

Googleのミラーリングからストリーミングへの変更では、ファイルの参照先がローカルフォルダーから仮想ドライブに変わり、以前のミラー用マイドライブフォルダーは同期されなくなります。

公式手順は、ローカルとクラウドの同期完了を確認してから切り替え、Windowsではアプリを終了したうえで旧ミラーフォルダーを整理する流れです。未アップロードの変更があるまま旧フォルダーを削除すると、そのファイルを失うおそれがあります。Google公式の切り替え手順と注意

これは、切り替え後に同期対象から外れた旧フォルダーについての条件付きの説明です。現在使っている仮想ドライブや同期中のフォルダーを削除してよい、という意味ではありません。場所や同期完了を判断できない場合は旧フォルダーを残し、確認を先に進めてください。

出発前に確認する5つのこと

  1. 必要なファイルを決める。 使うPDF、写真、Officeファイルを選びます。関連資料も含め、必要な範囲だけを保持対象にします。
  2. ネット接続中に準備する。 OneDriveは常に保持、Googleのストリーミングはオフライン利用を指定。空き容量とダウンロード完了を確認します。
  3. 同期の状態も確認する。 OneDriveの同期中・一時停止・エラー表示、Googleドライブの同期ステータスやエラー通知を確認します。保持の指定だけで、最新の編集内容まで同期済みとは判断しません。Microsoftの状態表示、Googleの同期ステータスの説明
  4. 開くアプリを含めて確かめる。 ファイル本体だけでなく、それを開くPC用アプリも必要です。可能なら出発前に、ネット接続を使わない状態で必要なファイルが開けるか確認します。Googleのストリーミングはアプリを実行したまま確認します。
  5. 帰宅後に保持範囲を見直す。 次回も使うものを残し、大きなフォルダーを必要以上に保持し続けていないか確認します。

Googleドキュメント・スプレッドシート・スライドは、ここまでのPDFやOfficeファイルとは別です。オフライン利用にはウェブ側の設定などが必要なので、通常ファイルの保持指定だけで準備できたと考えないでください。Google公式の別設定の案内

会社や学校が管理するPC・アカウントでは、アプリの利用や同期が管理者の方針で制限される場合があります。個人用PCの説明をそのまま当てはめず、利用できる設定を確認しましょう。

PC容量を空けながら一部を持ち歩くなら、普段の保存先で必要分を明示して保持する方法から検討できます。全体を手元に置く必要がある人は、その量に見合うPC容量を確保して選びましょう。iPhone本体の写真整理が目的なら、対象アプリと端末が異なるGoogleフォトとiCloud写真の容量整理の比較を参照してください。