ボールへ空気を通す細い部品、空気針は、どれでも同じように使えるわけではありません。交換針はポンプの品番に合わせて選びます。 同じモルテンでも、ペンタゴン HPGはAN2、エアシーホース HPASはMCAR2です。「サッカーボール用」「各種ボール用」という商品名だけでは決まりません。モルテン公式の対応表
針をなくしただけなら、まず探すのは対応する交換針です。ポンプ一式を買い直す必要があるとは限りません。一方、曲がった針や、折れてボールに残った針は、そのまま使わず、末尾の「針が曲がった・折れたとき」へ進んでください。
空気針は、ポンプから送る空気をボールの中へ通す細い部品です。ボールの空気穴にある「バルブ」は、空気を入れる入口。針はポンプへ取り付ける側と、バルブへ差す側の両方を持つため、ボールの競技名だけでは交換品を決められません。まずポンプとの組合せを合わせ、その後にボールの扱い方を確認します。モルテン公式の対応と注入方法
目次
交換針はポンプの品番で選ぶ
モルテン公式の対応例は次の3組です。
| 手元のポンプ | ポンプの品番 | 対応する交換針 |
|---|---|---|
| モルテン ペンタゴン | HPG | AN2 |
| モルテン エアシーホース | HPAS | MCAR2 |
| アディダス ハンドポンプ | ADHP01 | ADHPN |
出典:モルテン公式 空気入れ・予備針の対応表。ADHPNは製品ページでもADHP01専用と案内されています。
品番を探す場所は、本体の表示、取扱説明書、元の包装、購入履歴です。圧力計の針なら、圧力計の品番を使います。表にない機種は、上記の公式対応表や、そのメーカーの製品ページから対応針を探しましょう。見た目やメーカー名だけでAN2とMCAR2を選び分けるのは避けます。
品番が見つからない場合に限り、ポンプ全体と針の接続部の写真を用意してメーカーや購入店へ相談します。似た針を何種類も買って試すより、適合する1種類を絞る方法です。
初めて空気を入れるときの4手順
以下はモルテンの一般案内に沿った手順です。ポンプ・針・ボールに個別の説明がある製品や他社製品では、その指定を優先します。専用器具を使うボールには、この手順をそのまま当てはめません。
1 対応する針をポンプに取り付ける
曲がりや折れのない針を使い、取り付け方はポンプの説明書に従います。接続方法が機種によって異なるため、共通のねじ込み回数や締め付け力は決められません。正しく固定できないときは、力でねじ込まないでください。
2 針に潤滑剤を付ける
乾いた針をそのまま差し込まず、ボール用の潤滑剤を使います。モルテンが案内する製品は潤滑剤YC0010です。公式のボールのお手入れ案内にも、空気針の挿入を滑らかにし、バルブ口の破損による空気漏れを減らす用途で紹介されています。
潤滑剤は、針を滑らかに差し込むためのものです。空気を増やす材料ではありません。針でバルブを傷つけると空気漏れにつながるため、モルテンは差す前の使用を案内しています。交換針が正しくても、この準備を飛ばしてよいわけではありません。
水でぬらすだけでは代わりになりません。 モルテンはさびの原因になるため水を避け、潤滑剤がない場合は石鹸水などを使うと案内しています。この代用方法を他社製品にまで広げたり、家庭用の油・潤滑スプレーに置き換えたりはしないでください。モルテン公式 空気の注入方法
3 空気穴へゆっくり垂直に差し込む
ボールの空気穴に向け、針を斜めにこじらず、ゆっくり垂直に差し込みます。勢いを付けると、針の曲がりや折れ、内部のチューブを傷つける原因になります。入りにくければ押し続けず、針の向き・曲がり・潤滑を見直しましょう。モルテン公式 空気の注入方法
4 ボールに合った空気量に調整し、まっすぐ抜く
「ポンプを何回押すか」では、適正な空気量は決まりません。ボールに空気圧の指定がある場合は、その表示と単位に合わせて測定・調整します。入れ終わったら、差したときと同じ向きに、針をゆっくり抜きます。
空気圧は、ボール内部の空気が押す強さを表す値で、圧力計はそれを測る道具です。同じ回数押しても、最初に残っていた空気やポンプが違えば、同じ状態にはなりません。たとえば、少し軟らかくなった一球への補充と、ほとんど空気のない一球への注入を、同じ回数で終えないようにします。回数ではなく、使うボールの指定へ戻る理由はここにあります。
モルテンの案内では、バスケットボールの圧力表示は目安で、弾みの高さで調整します。また、ハンドボールには空気圧の規定やバルブ口の表示がないとしています。競技をまたいで数値を流用せず、使うボールの案内に合わせてください。モルテン公式の空気圧案内
針が曲がった・折れたとき
状態によって、次にすることが変わります。
- 針全体がポンプから外れた: 正常に取り外れただけなら、取扱説明書の方法で取り付け直します。固定できない場合は、接続部の破損や針の適合を調べます。
- 針が曲がった、または途中で折れた: 使用をやめ、対応する針に交換します。曲がりを戻して再使用せず、折れた先がどこにあるかも見てください。
- 折れた針が空気穴に残った: 別の針で押し込まず、ボールのメーカーへ相談します。これはポンプ側の針交換だけでは解決しません。
- 針がボール内部へ落ちた: モルテンの検査・修理サービスでは、内部へ落ちた異物は取り出せず、修理対象外です。空気穴に残っている状態とは分けて伝えます。
モルテンの同サービスはパンク修理とバルブ交換が対象で、日本国内の正規流通品などの条件があります。空気穴に残った針も、必ず修理できるとは限りません。他社の修理可否は、各メーカーの窓口へ相談してください。モルテン公式 ボールパンク検査・修理の案内
針だけの交換で済むなら、買うのは手元のポンプに対応する針です。潤滑剤も、使えるものがすでにあれば買い足す必要はありません。まず品番で1種類に絞り、潤滑して、ゆっくりまっすぐ抜き差しするところから始めましょう。

